【2日目】

【2017年3月26日(日)】

岩手県 陸前高田市 『陸前高田駅』バス停 スタート

am08:00
BRT『陸前高田駅』 みなさん集合

早朝、小雪が降るような
風が冷たく 寒い日

ちょっとひるむ

2日目最初の 札所の観音堂は
一般のお屋敷にあります。

こちら 矢作家は
かつてこの地を治めていた葛西家家臣であり
関ヶ原合戦(1600年)時
伊達政宗の援軍としてこの地方から白石へ向かった
「気仙三十六騎」その旗頭をつとめたそうです

【8箇所目(三十番札所)】 「大石観音堂」
観音堂建立は元禄十六年(1703年)の
「千手観音」
庭にめずらしい「高野槇」の巨木
この奥が 「奇跡の一本松」がある方向

「この畑まで水が届きました」という庭の一部
かなり高い位置なのに…
【9箇所目(九番札所)】 「羽縄観音堂」

「鮭の大助」の昔話

むかしむかし、
この土地に住む松野氏のご先祖が
牧場を荒らす大鷲を退治しようと、牛の皮をかぶって懐剣を握り待ち構えていたが
逆に大鷲にさらわれて、
はるか南方の孤島にある大鷲の巣に置き去りにされてしまう。

思案の末、巣にあった「羽」で「縄」をない、無事地上に降りることができた。

降りた所に白髪の老人が現れ
「私は、気仙川をさかのぼって 有住の角枯淵(つのがれぶち)で卵を産む
鮭の大助というもの。家までお送りしましょう」と
鮭の姿となり、竹駒まで送ってくれた。

感謝した松野氏のご先祖は、大助に
以後、十月二十日に気仙川の「鮭止め」の縄を解き
上流へさかのぼる便宜を取り計らうことを約束した。

現代でもこの伝統は受け継がれているそうです。

なんだかピクサーが映画化しそうな展開

こちらの観音様は
金色に輝く三体の観音様

昔、中央にあった一体が盗難にあいましたが
近年になり上記・松野氏ご親族が自ら一体を彫り、
再び三体に戻ったそうです
今回の参加者の皆さん
311の震災を直接体験した方が多く
当時のお話を聞かせていただけました。

そのお一方、商業船員だったおじさんのお話し
「この時期の海は 落ちたら5分持たない」

朝から 寒い寒いと 弱音を吐いていましたが
ちょうど3月
「この時期」に海に流された方々のことに思い至る
そうした巡礼です
【10箇所目 十番札所】 「正覚寺」

こちらもまた 歴史の古いお寺です。
むかしむかし
平泉の黄金文化に代表される
みちのくの金山が隆盛だった頃
「雪沢金山」に集まった堀子の人々のために
建立されたそうです

観音様を前に 読経とご詠歌
歴史ある観音様です
311当時、近隣に住んでいた
高田出身の参加者の女性のお話

実家の様子を見に帰ろうとする車中で
ラジオから流れる「陸前高田 壊滅」の報道に
「何を言ってるのか分からなかった」との感想

この「壊滅」のアナウンスには
現場に居なかった近隣の方々の多くが
「何を言ってるのか?」と理解できなかったらしいです。
当時は、テレビの映像が見れた東京など他地域の方が
現場の状況をよく分かっていたのでした
慰霊碑です
こちらの、段になっている場所に
多くの方のご遺体が流れ着き
みつかったそうです
今回参加された方の、お身内も
こちらで見つかったとお聞きしました。

今 自分が歩いている道は巡礼なんだと
痛感しました
【11箇所目 八番札所】 「延命寺」
ぽつぽつと 雨が降ってきました
「千手観音」です

かつてはこの地域の霊山
氷上山の中腹にあったお堂に安置されていましたが
300年ほど昔、山津波によりお堂もろとも流されてしまいました。
しかしご本尊は木の根にひっかかり、
村人の手によって無事、延命寺へ仮安置されたとのことです

ここから 国道をはずれ
山沿いの道を歩きます
天気が少し残念ですが
山の景色も大変良いです
岩手の山々
数々の昔話の舞台
一度 国道を横切り
「気仙川」沿いを歩きます
陸前高田 竹駒町から横田町へ
色とりどりの雨具が連なって歩く様は
参加者の方の言った
「旅芸人一座みたい」
というのがぴったりきました
気仙川
海よりだいぶ離れていますが
津波はここまで遡ってきました
道中
去年、参加して
今年は歩けなかった地元の女性に呼び止められ
お金のご接待を頂きました。

四国遍路でも頂きましたが
私の代わりにがんばってください
という事かもしれません。
一人だと プレッシャーを感じますが
一団だと大きな励みになります
【12箇所目 十一番札所】 「常光寺」
これまでのお堂と比べ
かなり広いです
納経後
こちらの会館でお休み
地元の「ご詠歌講」の御婦人方より
お接待を頂きました。
おこわやプリン 温かいお茶
雨の中歩いてきた体が
本当に生き返ります
雨もやみ 本日のこり一箇寺
豊富な金が産出されたとされる山々
古い「気仙三十三観音」の道標
到着
【13箇所目 十二番札所】 「平栗福寿庵」
読経 ご詠歌
pm02:00 解散です

ここよりバスで
陸前高田か大船渡盛へ出られます

僕はこの日、福田さんとご一緒に
住田町の観光課の斡旋で
「農家民泊」を引き受けてくださっている
Sさんのお宅へ泊めていただきました。

Sさんの車で
温泉「玉の湯」へ連れて行ってもらいました
雨で冷えた体が芯から温まります
Sさんは僕と同年代で
「座敷童」フアン!
仕事で遠野早池峰神社そばの小学校に
泊まる機会があったそうで
その時のエピソードなど…
非常に面白い話を聞かせていただきました。

そのうちそのお話を漫画に描きたいです
住田町の町並み

材木業で栄えた町ですので
立派な蔵が立ち並びます
しかし第二次大戦中は
この近辺も戦火にさらされ
その時の戦闘機機銃の跡なども残っていました。
巡礼の内陸地
住田町MAP

図の女の子二人は
住田町の
「上有住(ありす)」 「下有住(ありす)」
という地区名を知り、
勝手につくりました!
 

【本日の移動距離 ルート】

【『陸前高田駅』集合 〜 6箇所巡拝 〜住田町農家民泊 】

【曇天のち小雨 15・7km】

【ルート参考MAP】製作中

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