【29日目】

【16年06月20日(月)】

相馬駅から電車〜鹿島駅〜タクシーで浪江町まで

<am 06:55>

相馬駅発の
電車に乗車

事情を話し
タクシーをお願いしている
「鹿島駅」まで向かいます
<am 07:09>

「鹿島駅」下車

待ってて下さった
タクシーに乗車

浪江町まで

除染で出た土

南相馬市
小高地区近辺は
この一ヵ月後の7月の
規制解除(帰宅宿泊可能)に向けて、
除染作業は今がピークだそうです
3年前には
この辺りにはたしかまだ
ガレキが残っていました
来年2017年3月までに
常磐線も
原ノ町駅〜浪江駅 間で開通

山元町の
常磐線も開通すれば
仙台からレール一本で
浪江町まで足を運べるようになります
しかし

「人が帰れる」
「住める」というだけで
生活に必要な施設が
開かない事には
なかなか町に
人は戻って来られないようです

特に
車を持っていない
お年寄り方は
戻りたくともなかなか
難しいらしいです
「あとは気持ち次第ですかね」

小高出身の運転手さんが
そう話してくれました

国道6号線は

車での通りぬけが
可能になっていたり
除染作業員の方が
現場に向かう通勤車があったりで

想像以上に車が走ってて

パッと見
規制解除前の地域とは思えない
にぎやかな雰囲気でした

コンビにも開いてて
弁当も買えます
除染作業に向かう方々が
朝礼をしていたり
震災当時のまま
開いていないお店も
もちろんありますが
道にも普通に人が歩いてて
3年前に見た
「異様さ」は
感じられませんでした
こちらでも朝礼中
ちなみに

リュックなんか背負って
この辺り歩いていたら

「間違いなく
警察に職務質問されますよ!」

とのこと。
たしかにパトカーは
多いようでした

やましい事はないですが
迷惑かかるし
歩いてこなくてよかった…

3年前

引き返すように誘導を受けた

浪江町/双葉町の検問付近

普通に通り抜けて

双葉町へ

入れます

双葉町は
さすがにまだ
ゲートが残っています

Uターンしてもらい
浪江の駅前へ
寄っていただきました
「浪江駅」
この写真だけ見ると
普通の駅前のようです
しかし
視線を移すと
駅前でも
このような建物が
<am 08:30>

相馬野馬追いで訪れた

「原ノ町」まで戻って

そこから
2時間半かけて
仙台へ

新幹線で東京へ戻ります

【本日の移動距離 ルート】

【相馬駅・電車〜鹿島駅・タクシー〜浪江町〜原ノ町駅・電車〜仙台経由で東京へ】

【くもり・ 0km 】

震災から5年
前回の旅から3年

同じ道を歩いてみて

整地が進んでいたり
新しい施設が建ち始めていたりしていましたが

「まだこの段階か…」というのが
正直な感想です。

それでも被災地全体で「落ち着いた雰囲気」
…悪い意味で「慣れてしまった」雰囲気を感じました。」

復興を加速させるには
仕事でも遊びでも
他所から人が多く集まる事が
一番だと思います。

そんな所へ

「みちのく潮風トレイル」!
「ロングトレイル」!と聞いて
真っ先に「四国遍路」を想像してしまい

「あの盛況振りが被災地に!?」
「すばらしい!!」
と、
※(四国遍路の年間巡礼者数は10〜30万人
(うち歩き遍路が2500〜5000人)(wikiより)

完成前にフライングで歩き始めてしまった僕は
おそらく
主催の環境省が想定している
「トレイル」とは
かなりズレた旅に
なってしまっていたかもしれません。

…途中から国道を歩く旅でしたし…

それでも

「復興支援したい」
「みちのくにもっと多くの人を呼びたい(行きたい)」

そうした気持ちは同じはずです。

ここで 2回の旅の まとめとして
「潮風トレイル」に対しての感想、要望などを
書かせていただけたらと思います。

…2回も歩いたのだから
少しは「それっぽい」事も書いておかなくては
ならないのではないか…と…
自分で読み返したら
道中「疲れた」だの「帰りたい」だの「嫁が欲しい」だの
ボヤイてばかりの旅みたいで
あまりにも格好が悪い…
そう思えたもので…

そもそも
アウトドアーズとは間逆の人間が述べる
しかも 比較対象が「四国遍路」という
全くの別物かもしれませんが

(山歩き好きな方に
「四国遍路はロングトレイルには入らないんですか?」と質問したところ
「あれは別物」とのことでした)

「長距離歩行の旅」という部分では
同じだと思いますので
無理矢理「潮風トレイル」の比較雑感を
述べることをお許し下さい。

※特に環境省の皆さん!地元有志の皆さん!
道中 不満ばかりで
さらにここで総括などと
申し訳ございません!

…まずストレートな感想

「みちのく潮風トレイル」は
真面目すぎる! 地味!

ややっ!怒らず聞いてください!
アイデアもあるんです!

環境省主導の企画でありますし
そもそも「トレッキング」というものが
シンプル イズ ベスト
そうしたもの なのかもしれませんが

少し、環境保護という枠に
こだわり過ぎてるのではないかな…と

いやいや!
自然を壊せと言っているのではなく!

「なるべくコース上に新たな施設を建てない」
「標識も自然に溶け込んだものを」
その理念は素晴らしいですし 企画として当然ですが

僕のように「自然最高!」だけでは 決してない人間も
とっつきやすい部分も、有ったほうがよいのではないかと。

もう少し「俗っぽさ」が有ったほうが楽しいですし
受け入れる地元の方々も
「儲かるシステム」のようなものが有ったほうが
いっそ分かりやすく 潔くて
参加してくれる人も増えると思うのです。

…いやいや!
四国遍路が「俗っぽい」と言ってるんじゃなく!

あーもう…大変だな…

四国遍路は「俗っぽい」部分もあります!
ありました!見ました!
でもそうした
あらゆる雑多なものを受け入れて、取り込んで
だからこそ1200年の歴史があると!

■■

@

たとえば!
納経システム

お寺を廻ってお参りすると、頂ける御朱印ですが
(御朱印一筆300円)

…言うと 必ず 怒られますが…

あれはスタンプラリー的なコレクション欲を駆り立てます。
あれがあるから 廻ろうって人も(自分含めて)多いと思います。
取っ掛かりはスタンプラリーであれ
歩いている内に、
それ以上の貴重な経験が出来るのが遍路なんです!

潮風トレイルにも「スタンプラリー」があります。

まだ全ルート完成していないので詮無いのですが
ぜひ 全地域で統一したデザインの
コレクト欲を駆り立てるものにしていただきたい!

あの、八戸〜久慈区間のスタンプは
色も綺麗でデザインも好きなのですが
その後、順次開通した地域ごとに
少しづつデザインが変わってしまって統一性が無いのは
コレクションとしてはちょっと残念です。

また、いただける記念品も
デザインはかわいいのですが
ある地域ではバッジ、別の地域ではバンダナと
統一性が無く
バラつきがあるのも 個人的には残念でした。

もっとギラギラした!

物欲を刺激するような!

オークションで高値がつくような!
そんなアイテムが良いのではないかとおもいます。
(この辺りが優等生っぽいです)

たとえば、各地域のイラストが入った

「コイン」とか

ポイント系の「カード」とか

全て歩き終わったらズラーッと額縁に入れて飾っておきたいような
そんなコレクトアイテムがあると嬉しいです。
しかも「開通3周年記念!」とかには微妙にデザインを変えたり!
「今年限定!」とか、「限定」って言葉に弱い人は多いです。

もちろんそれを
有料販売にするべきだと思います。

※四国遍路の八十八箇寺 以外の「番外札所」では
各お寺の番号が入った「数珠」を一珠、一珠下さって
全部廻ると「一つの数珠」が完成する仕組みです。
これは完成すれば、普段でも持ち歩けますし
「自分でご利益を込めた」
最強のお守りになるのではないかと。

A

それと同時に
そのスタンプ設置ポイントについて
感じたことですが。

個人商店などに設置してしまうと
だんだん、管理が大変になってくると思います。
一生懸命受け入れてくださってる個人商店の方には申し訳ないですが

(現に今回の旅でも、たくさん親切にしていただきました)

今後、スタンプラリーを長く続く企画にしていくのならば
休日にスタッフが常駐できる
公共観光施設に限って
設置したほうが負担は少ないと思います。

おばあちゃんが一人で店番しているようなお店へ
ついでに何か買うならまだしも
休日に、ただスタンプもらいに店内に入ってくる人 続出とか

おとなしくスタンプだけ押して去るならまだしも
観光客はわがままなので(自身への自戒もありますが)
おばあちゃんを困らす人も居ないとも限らず

そんなこんなで
善意で参加したおばあちゃんが
疲弊していって、トレイル企画への参加を辞めてしまうのは
あまりに可愛そうです。

※同じような構図で
四国遍路でも「善人宿(無料宿泊施設)」が
どんどん閉鎖しました。

※四国八十八箇所の納経所ですら
朝から夕方まで盆も正月も関係ナシの年中無休で
来訪者の多い少ないは関係なく
いつ何時、来るかも分からぬ参拝者に
対応しなくてはならない事もあり
スタッフの少ない、あまり大きくないお寺にとっては
負担が大きいように見受けられます。

B

もう一つ
これはあまり軽い話しではなく
また「四国遍路」との比較ですが

「四国遍路」が1200年続く、その根幹が
地元の方々の「信仰」
「故郷の文化への誇り」であるならば

「みちのく潮風トレイル」が まずは 地元に根付き
そこから広く世の中に広まっていくためには
遍路の「信仰」に代わる 「何か」 が
必ず 必要になってくるのだと思います。

それが「自然」ではなく
「震災」ではないかと 僕は思ったのですが。

「みちのく潮風トレイル」を歩く、歩こうと思う方の中で
「震災」を意識せず歩ける方はいないと思います。

道中ビジターセンターでもお話し お聞きした
「震災メインの来訪者が減ってきた」ことも あるかもしれませんが
「全く無関心で訪れる人」もまた、
居ないのではないかと思います

言い方は悪いですが
「震災」に興味を持って現地を訪れる方は
少なく ない はずです。
(もちろん、一つの感情だけでは ないとも思いますが)

そうした方々が
「この旅で震災に触れることが出来た」

「知ることができた」

「復興に貢献できた」

そうした満足感を持って、地元へ帰り
必ず、現地で見聞きした事柄を 周りに語ります
語りたくなります(僕自身もそうです)
それを切っ掛けとして
また新たに、被災地を訪れる方が現れる。

これが
「潮風トレイル」が世間に広まっていく
一つの方法ではないかと思います。

ただ
「信仰」と違って「震災」は
必ず 過去の事になっていきます。

また
そうした「震災」に対するスタンスが
被災地においてすら一様ではないのは
旅を通して重々承知しています。
積極的に外へ発信して 風化させないよう努力している方もいれば
逆に
早く忘れたい、触れて欲しくない、故郷の弱ってる姿を見せたくない
そう言われる方もおられます。

【2017.03.13】追記

震災5年目だった前年と比較して
2017年3月11日の
テレビを中心としたメディアの「震災」の
取り上げ方の激減に

やはり「震災」を前に出しての復興は
間違いなのだろうと思いました。

「忘れない」事は大事ですが
「常に思い出したくはない」と言うのが
被災地の方であっても
それ以外の地域の方であっても
本音なのだろうなあ、と…

なので
「歩く」「巡る」
やる事は同じであっても
もっと楽天的なイメージを前面に
「スタンプラリー」とか「御朱印巡り」とか
それが「結果的に復興支援になってる」企画の方が
世間には受け入れてもらえるのだろうなあと
そのように感じました。

それと!

震災復興は抜きにしても
東北全体でキャラクター作ってください!
公募ゆるキャラみたいなのじゃない!
しっかりと「狙った」デザインの!
(どっかのエンブレムみたいな内々で決めて後でモメナイやつ)


震災前から人気のキャラですが
熊本の「くまモン」大活躍を見ててそう思いました。

・・・2回も歩いたのだから
少しは 実のある感想を書かねば!…と
それらしい事を考えてみましたが
うまく まとまりませんでした。

環境省スタッフの皆さま
地元の皆さま
しっかり歩けたわけでもないのに
道中の不平不満など書いてしまい
申し訳ございませんでした。

「潮風トレイル」を歩こうと計画し
このページを読んで下さった皆さま
参考になる部分が少なく
申し訳ございませんでした。

「みちのく潮風トレイル」は
まだ全道開通していない道ですが
願わくば末永く
多くの人に親しまれる道になって
くれる事を願っております。

そして僕自身
「通して歩く」という目標が
達成されておらず
3度目、歩かせて頂きたいと思いますので
その際にはまたどうか
よろしくお願いいたします。

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